すごい音楽

ライブを観たときの話とか。

今までの「ファンタジー」を期待してはいけない…!おごそかに楽しむオトナのSEKAI NO OWARI「THE DINNER」

https://www.instagram.com/p/BOWK0i8lmdr/

SEKAI NO OWARI「THE DINNER」幕張メッセ公演に参加してきた。ネタバレを大いに含むので、すでに参加した人、気にしない人だけ読んでほしい。

毎回会場に入るたび、ステージのセットには本当におどろかされるが、今回は中央に一軒の家が。どうやら森の奥の奥にひっそりと建っているみたい。今までの世界樹やTwilight Cityの世界観に比べると、だいぶコンパクトな印象だが(いやいや、会場内に一軒の家が建っていること自体じゅうぶんすごいんだけど)、ここで何かが起こるんだろう、どんな仕掛けがあるんだろう…と開演前からワクワクさせてくれる。

2次元から3次元へ…オープニング映像を飛び出し「本当の」車に乗って一軒家にたどり着いたメンバー。これまではダークな世界も見せつつ、でもファンタジー、ポップも併せ持つ「楽しい」セカオワワールドだったのが、「ANTI-HERO」で静かに始まった今回は、どうやら雰囲気が違う。とにかく「静か」、とにかく「暗い」のだ。ガンガンアガる!っていうより、しっとり、じっくりセカオワのメンバーが提供する1曲1曲をじっくり噛み締めながら聴くというか。ノリノリを期待して行った人はもしかしたらちょっと戸惑うかもしれない(特に子どもとか…)。わりと大人しい曲が多かったので、不完全燃焼のまま終わってしまった感はあるけれど。

ところで…とうとう!?有料化になった例のスターライトリング、身につけている人もたくさんいたけれど、正直つけてなくても楽しめると思う。昔はライブにおいてスターライトリングの効果による盛り上がりの部分が重要視されていたのかもしれない。でも、なくたってじゅうぶん楽しめる演出になっている。そこに重きを置く必要がなくなったのかなあと勝手に思っている(転売問題もありつつ)。その証拠に「Dragon Night」でもリングは点滅しなかったし(曲紹介も随分あっさりだった)、ライブの定番曲「虹色の戦争」は今回やっていなかったほど。

だからといってパワーダウンしているわけでは決してなく、例の一軒家を使ってのパフォーマンス、「THE DINNER」と題するにふさわしい、観客を巻き込んだ、まさにファン悲鳴モノの演出などセカオワにしかできない驚きの仕掛けがいっぱいなので、五感をフルに使って堪能できるのは言うまでもない。前菜からデザートまで、彼らがもてなすフルコースを、ストーリー仕立てで楽しむような2時間だった。

ごちそうさまでした。